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近年のペット医療の向上に伴い、獣医皮膚科医療も日々進歩していると言えます。検査が多様化したことにより、皮膚病の原因は一つのみならず、アレルギーなど複雑な要因が関わっている場合が多いことがわかってきました。
当院では犬種、猫種それぞれの皮膚の特徴を理解した上で、視診および適切な検査を行い、治療方針を決めていくようにしています。またペット達やご家族様への負担を考えながら、皆様に満足できる治療を提供するように心がけています。
日本獣医皮膚科学会認定医である杉山を中心に診療を行っております。
ここでは犬と猫のアトピー性皮膚炎の診療について紹介させていただきます。
痒みを主訴に来院されるケースが非常に多いです。痒みの原因として、まずノミやニキビダニなどの寄生虫症、ブドウ球菌やマラセチアなどの感染症の可能性を検討します。これらの可能性が否定された場合、アレルギー性疾患の可能性が高くなります。
アレルギーには食物アレルギーとアトピー性皮膚炎がありますが、併発していることも多いです。これらの鑑別の参考としてアレルギー検査を実施することもあります。食物アレルギーは原因食物がわかればそれを回避することができる一方で、アトピー性皮膚炎の原因はハウスダストや花粉であるので回避するのが難しいです。つまりアトピー性皮膚炎と診断された場合には、治療目標は完治ではなくうまく管理していくということになります。幸いにも犬アトピー性皮膚炎の治療は医療と比べてもむしろ勝るくらいであり、多くの治療選択肢があります。しかし100%効く薬はないためにお薬による治療を主体に、シャンプー、保湿などのスキンケアを併用することが重要です。当院でよく使用する薬について簡単にご紹介いたします。
まず猫ちゃんの場合、アトピーに相当する疾患はあるのですが、実はアトピーの病態はわかっていません。痒みがある場合、ワンちゃんと同様に感染症の可能性を検討します。猫ちゃんでは特にノミや皮膚糸状菌症というカビのトラブルに注意が必要です。感染症が否定されたらアレルギーの可能性を考え、食事によるアレルギーの可能性が否定された場合、アトピーに相当すると考えます。この1年でアレルギー検査も導入していますが、アレルギー検査は補助的な位置づけです。
症状は全身に現れますが頭頚部の痒みの場合、出血してしまうほど引っ掻いてしまう例も少なくありません。また特有のザラザラした舌で舐めることにより容易に脱毛を引き起こしてしまうため、あっという間に重症化する印象があります。治療に関してはワンちゃんと比較してスキンケアを組み合わせることは難しく、お薬の選択肢も多くありません。当院では現在のところステロイド、シクロスポリン、抗ヒスタミン剤での治療が中心となっております。